酷暑が続いておりますがいかがお過ごしでしょうか?
さて、私ども中央ダイスが得意としている製品に超硬の金型がございます。
一般的に超硬材は鉄等を削るための刃物として用いられますが、塑性加工の分野においては主に加工材の形を作る部位に使われています。塑性加工の単純な概念としては「金型は加工素材より硬ければよい」わけで、スチール材の冷間塑性であればハイス鋼やダイス鋼などで充分なわけです。
では塑性加工において超硬材を用いるメリットとはなんなのか?
私たちがお伝えする超硬のメリットは「精度」です。
「磨耗が少ない」「かじり難い」等々いろいろ他のメリットもありますが、なによりワーク(加工物)の精度が安定することにあります。
冷間塑性は常温での塑性加工となりますが、加工時の瞬間温度はおおよそ350~400℃とかなりの高温です。そういった点では超硬はスチール材に比べて熱膨張の割合が低く、温度変異での寸法変化が少ないことが特徴です。
例えば、丸いスチール材などを常温の定盤の上で測定して、つぎに手でしばらく握ってからマイクロメーターなどで測ると0.02~3mm簡単に変わってしまいます。ところが超硬やセラミックなどはこのような温度変化に対し、約0.001~0.003mmの変化程度で抑えられます。測定器を扱われている方ならよくご存じと思いますが、マイクロメーターや三次元測定器マスターの扱い方の”あれ”です。
昨今、加工物への要求精度は飛躍的に上がっていて、あらゆるところに1/100台の公差が求められています。そんなシビアな加工品を扱われているお客様ばかりですので、より一層超硬のメリット活かしていただければと思います。
この酷暑では生産現場での常温もなかなかあてにならないかもしれませんが・・・・・。
少しでも皆様のお役に立てる金型づくりができればと思います。
お付き合いいただきありがとうございました。