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2025-01-31
カテゴリ:日々出来事・お知らせ
あけましておめでとうございます!
旧年はご愛顧いただき、心より御礼申し上げます。
本年も社員一同、更なるサービスの向上に努めて参りますので、より一層のお引立てを賜りますようお願いいたします!
さて、もうすでに1月も終わってしまいますが
今年の幕開けはいかがでしたでしょうや?
わたしはお正月に体調を崩してしまい、若干寝正月でした。
まわりでも寝正月だったひとは多かったようですね。
体調管理は抜かりなくしないといい仕事はできませんからね。
まあ、体調崩したぼくがいうのもなんですが・・・・・・・あなたもお気をつけを!
さて、今年はのっけからコーティングトラブルが発生しておりまして、
代表の岩瀬をはじめ当社スタッフも気をもんでおります。
これまで長く実績を積んだ品物だけにメーカーさんに原因究明を進めてもらっておりました。
ちなみに今回の不具合は外径での「コーティング膜の偏り」
円周の片側半分は0.008mm、反対側が0.003mmと明らかな偏りがみられた。
これ、我々からすると結構初歩的な不具合だ。
これは今に始まった不具合ではないのですがあれだけ実績を積んだメーカーさんでも・・・・
たまにあるんです(汗。
実際、ボクが担当する案件でも何回かおきてます。
しかもなぜか決まって精度ものに起きてくることもあって(泣
金型へのコーティングというのは、どうでしょう・・・
ぼくが記憶する限りでは20数年位前からやられていたんだと思っています。
コーティングというもの自体を知ったのが切削刃物からなので、実際にはもっと前かもしれませんね。
しかし20年前と比べれば、いまや金型へのコーティングは当たり前で処理能力や技術は格段に上がっている。
ちなみに切削刃物へのコーティングと比べると金型への処理は超高精度。
刃物単体と比べ、金型は±0.01mmの精度で焼嵌めや圧入など構成部品で組み合わさった集合体だ。
当然、コーティング時の熱は構成部品の残留応力や焼き嵌めの応力などに大きく影響する。
PVD処理でも500℃、CVD処理に至っては900~1000℃の温度を完成された品物にかけるのだから
やる側にとっては”リスク”以外の何ものでもない。
コーティングメーカーも品質を担保するために、炉の温度管理や品物の搭載方法、位置、膜厚のテストチェック、硬度管理など
多くの実績から常に最善を作るために日々改善をしている。
いまでは20年前とは比べ物にならないほど優秀な管理体制を築いているんだ。
でも、それでも不具合が出てしまうのは”なぜだろう?”っていうこと。
温度管理?
炉の不具合?
長期休暇明けだから?
で、今週コーティングメーカーさんから不具合原因の回答がきた。
「コーティング炉のなかで、前回とは違う置き方をした」
・・・・・・・「前回とは違う」
これだ、やっぱりこれなんだ・・・・・
え?・・・・・「これ」ってなにが?
と思われたあなた!
詳しくは次回ブログまで待たれよ!
スタッフの矢野でした。
- SKD11 焼き入れ硬度の違いとは Part・2
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2024-12-06
カテゴリ:日々出来事・お知らせ
こんにちは、営業の矢野です
今週はやくも週末ですね~
今晩は忘年会のかたも多くて、早々に仕事切り上げられてみえるのでしょうか?
ぼくはまだまだしっかり仕事ですが
さて、先日、SKD11の焼き入れ硬度について少しお話ししました。
今日はそのつづき。
ぼくのブログを見てくれたひとから、質問がありました
「"SKD11は高温戻しだと経年で歪が出る"といわれますけど、それって精度・品質的にいいんですか?」とのこと。
あのブログを読んだらふつうにそう思うよね
ぼくらの会社ではSKD材の焼き入れ後の戻しは必ず”高温2回戻し”を指示する。
”高温2回戻し”をすることで内部組織の残留応力を抜ききって(?)、金属内部組織の安定化をさせているんだ。
これをやるのとやらないのとでは、品質が格段に違ってくる。
ぼくらの製品は焼き入れ後、ほとんどが研磨やLAP加工などの精密仕上げ加工しなければならない。
ましてや鍛造型ともなれば、圧入や焼き嵌めなど残留応力との関係性が重要になる工程がまっている。
金型材料に下手に応力が残っていたら、圧入した瞬間に割れたり、
最悪、切削中に爆ぜてしまうことだってありえる
そんなの製品完成どころではないよね。
だからぼくたちは熱処理メーカーも熱処理指定も人一倍以上、シビアに考えている
本気で危ないからね。
それに冷間鍛造や熱間鍛造・精密プレス加工で使われるのに、完成品が0.05mmや0.1mm歪んでいたら使い物にならない。
いってみれば、ぼくたちの仕事は熱処理歪みと応力との戦いといっても過言ではない!
まあ、それはそれとして・・・・・
つまり、同じ熱処理をするにしてもひと手間加えることでより長期に、安定した品質のものが得られるんだ。
「いいものには時間と金がかかる。」
そこは昔から変わらない原理原則みたいなもの。
なんにしてもSKD材で焼き入れするなら”2回戻し”は必ずやってほしいということです。
まあ、SKDなら熱処理メーカーさんは普通にやってくれるんですけどね
それではまた~
営業の矢野でした。
- SKD11 焼き入れ硬度の違いとは
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2024-12-02
カテゴリ:日々出来事・お知らせ
こんにちは、営業担当の矢野です。
いや~やっと冬らしい気温になってきましたね。
なかなか最低気温が10℃を下回らないので、今年は手袋&ダウンコートの出番はないかと思っていましたが
やっと今週からは出番がやってきましたよ
寒くなったと思ったのに、あと数週間で年が暮れてしまうとは・・・・・
季節感がなくなりますね
さて、今日はあるお客さんからのSKD11(SLD)材の硬度についてご相談を受けました。
「SKD11の硬度指示のなかでHRC60とか58とか、たまに62とかありますよね? あれってどこの数値が正解なんでしょうか?」
なるほど、なかなかいいところにご指摘がきたな
正解は・・・・・・・・・・・
どれも正解
単純に硬度はどれも入るんです。
ただ、重要なのは ”どういった使い方をするか” なんだよね
ちなみにSKD11の熱処理はHRC60以上が「低温戻し」で、HRC60以下は「高温戻し」が一般的となる。
まあ、オーステナイトやマルテン云々は詳しい文献にお願いするとして・・・・・
低温戻し(150~200℃)はHRC62などの高硬度や経年変化防止を目的にする場合に指定される。
一般的にはプレス加工、板物の抜きや成形型の金型に使われることが多い。
対して高温戻し(550℃)はHRC60以下の強靭性を目的にする場合に指定される。
主に鍛造成形型、熱間や温間、冷間鍛造の金型に使われることが多い。
同じ材質でも硬度を上げてカチカチにして使いたいか、それとも靭性を持たせて柔軟に使いたいか・・・・・・
硬度が高ければ経年変化やエッジ加工に強いがその分衝撃にはもろい・・・・・
靭性が高ければ衝撃に強いが圧力変形や残留応力に弱い。
つまり硬度の指定はどちらに振るかで金型の性能に決定的な差を生むんだ。
ちなみにぼくたちの会社で作っている冷間鍛造の金型は、基本的に熱処理は”高温戻し”だ。
SKD11に靭性を持たせることで金型を柔軟にして、鍛造加工時の荷重をイナすことが目的となるんだ。
鍛造で使う金型はとにかく膨大なエネルギーを受け止めて製品を成型する。
時には1000tを超える荷重を一つの金型で受け止めなければならない
でも、その力をまともに受け止めてしまったら金型ははっきりいって持たない。
ではどうするのか?
そこで僕たちの業界では ”金型に息をさせる” という言葉がある。
この息をさせる方法はいろいろあるんだけど、
SKD11の場合、高温戻しにすることで金型に靭性を持たせて硬さと一緒に柔軟性を追加している。
この柔軟性を活かすことで、高荷重の力を分散させてうまく力を逃がしているんだよね。
つまりこれが ”金型に息をさせる” ということでもあるんだ。
これをすることで金型寿命は格段に変わってくる!
だからSKD11の硬度の取り方って型の構成すらも大きく変えてしまう、とっても重要な要素なんです!
設計さんや型保全の担当者のみなさん!
よくよく気を付けて指定してあげてくださいね!
それではまた! スタッフの矢野でした。
- 超硬ってどうなん?
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2024-11-06
カテゴリ:日々出来事・お知らせ
こんにちは、スタッフの矢野です。
今週は東京でJIMTOFが開催されていますね~
10年位いってないのでかなり様変わりしてるんでしょうか?
ぼくは土曜日に来場する予定なんですが、周りのお客さんも土曜日のひとがほとんど。
いや、なんか今回は・・・・激混みになりそうです。
さて、今日は超硬について少し。
以前、超硬金型を使うメリットを紹介したかと思いますが、超硬にも様々な種類があって用途に合わせた使い方が重要となる。
例えば、ドリルやエンドミル、スローアウェイチップで使われる超硬と金型で使用する超硬では求められる性能がまるで違う。
超硬メーカーも用途に合わせた成分の比率を変えているので、よくよくプロフィールを確認しておかないと最初から失敗する。
ちなみに超硬の主成分はタングステンとコバルト。
その他にもいろんな混ぜ物をしていたりはするけど、型寿命に起因するのはタングステンの粒子の大きさとコバルトの量。
コバルトはタングステンをくっつけるための接着剤のようもの。
このバランスが合う超硬が最終的に金型寿命を決める。
みなさん、金型に使う超硬ってなにを基準に選ばれていますか?
まずは”G5”相当からですかね?
次回はもう少し超硬の選定の仕方をお伝えできればと思います。
スタッフの矢野でした~。
- あるお客さんで
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2024-10-15
カテゴリ:日々出来事・お知らせ
こんにちは、営業担当の矢野です。
ブログの更新をサボっていたらあっという間に朝晩涼しくなりまして・・・・・
さて先日あるお客様から上下型の軸振れがうまく出ないとのご相談を受けました。
ダイセットの上下内蔵型から見直してみても軸ずれに繋がる要素がみつけられないとのことでした。
とりあえず、製品精度としては合格品も生産可能な範囲だったので続けていたようなのですが・・・・・・
ぼくが思うところ,プレス側のボルスタープレート、ダイセットのダイプレートがどうなっているのか気になるところです。
結構な年数やトライ&エラーを繰り返した量産機ですからね。
どこになにが潜んでいるかは詳しく見ないとパッと見はわかりませんからね。
次回ダイセットを下す際に確認しに行ってみようかと思っています。
恐らくプレッシャープレートかな?と思っています!
営業スタッフ、矢野でした。